瞑想は総力戦
50代 ヨーガ講師・マインドフルネス瞑想講師 金田絵美
(2023年4月30日~5月5日アーナーパーナサティ16step徹底リトリートにご参加 @法喜楽堂)
前回2022年の夏に石川先生のリトリートに参加して、アナパナ・サティ16ステップの素晴らしさに感激して、それ以来、毎朝この瞑想を続けてきました。日々の修行の中でその恩恵を深く感じていたので、今年もぜひ参加したいと思っていたところ、石川先生から食事係とヨーガの指導をしてもらえませんか?とお声がけいただき、喜んでお引き受けさせていただきました。
参加前は、日常から離れてあの素晴らしい環境の中で瞑想に集中できることをとても楽しみにしていたのですが、始まってみると、食事の準備やヨーガのクラスの準備、参加者のみなさんへの座り方のアドバイスなどで心が揺れて、あまり瞑想に集中できず、正直少し残念に思っていました。
そこでひとまず、今回は自分の瞑想を深めることを一旦脇において、瞑想者をサポートさせていただくための修行だと思って過ごそう、そう気持ちを切り替えることにしました。
食事の準備も、野菜を一つ一つサティを入れながら刻んだり、ヨーガの指導でも四無量心を意識して心を込めて行いました。そうすると不思議なことに心がどんどん落ち着いて、静坐瞑想の時間の集中力が高まってくるのがわかりました。
法螺貝のワークでは、前回よりも音を響かせることができて嬉しかったのと同時に、たくさんの瞑想との類似点を発見し(力みやエゴが強いと音が鳴らない、スイートスポットを見つけたら集中を切らさないように広げてゆくと音が深く響く、意欲と放棄の絶妙なバランスを見つけることが大切etc.)石川先生が法螺貝のワークをこのリトリートのプログラムに組み込んでいる理由が、体と心で理解できた気がしました。
また朝夕の勤行は、ダンマを復誦することで、前日や当日の自分の心を振り返るとても良い時間となりました。「知っている」と思っていることを、自分がいかに「出来ていない」かを思い知らされる時間でもありました。
瞑想と瞑想の合間にある参加者同士のシェアリングの時間でも、たくさんの励ましと気づきを得ることができました。先生とみなさんとのやりとりの中に自分へのヒントがたくさんつまっていて、仲間と共に座ることの威力を感じました。
そんなふうに静坐瞑想以外の時間でも、ダンマ意識しながら過ごしていたところ、ある静坐瞑想の時間に、人生で一番強く輝くニミッタ(光)がみえました。それはどんな言葉でも表現できないくらいとても美しいものでした。
今回のリトリートで一番強く思ったのは、瞑想は総力戦なんだということでした。もちろん静かな環境の中で集中して座ることは素晴らしい修行ですが、一方で、山を歩くこと、法螺貝を吹くこと、ダンマを聴くこと、慈悲の気持ちで食事の準備や法友をサポートすること、そんな全てが私の瞑想を底上げしてくれたような気がします。そのおかげで、あの美しいニミッタ(光)を見ることができたのではないかと思っています。
ついつい、瞑想を深めたい!という思いが強くなりすぎて、自分のことしか見えなくなりがちな私には、本当に必要な修行だったなと思います。
反省点としては、聖なる沈黙の時間があまり取れなかったことがありますが、「日常の生活の中で瞑想的な視点で自分の心を観察すること」「ダンマを意識して身口意を整えること」 これこそが在家で修行する私たちにとって、一番必要な力なのだということを実感することができました。
石川先生、今回も、わかりやすく情熱的に、そしてユーモアたっぷりにダンマを教えて下さってありがとうございました。あのような素晴らしい環境の中で、ダンマを学びながら、法友とともに修行できたこと、改めて感謝いたします。
(2023年4月30日~5月5日アーナーパーナサティ16step徹底リトリートにご参加 @法喜楽堂)
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