カウンセリング(対話心理療法)とは
カウンセリングとは、対話によって自分自身に気づき、肯定的な心の変化を得るための方法です。
法喜楽庵では、言葉とエネルギーを重視しています。
いま気になっていること、考えていること、苦しいこと、迷っていることなどを自由にお話下さい。心に浮かんだこと、感じたことを、ありのままに語ってください。
相談事だけを話さなければならないということはありません。自分の中で大切だと思えることがあれば、それを言葉にしてみましょう。断片的な気づきや連想でも構いません。
印象に残った出来事や、夜見た夢について語っていただいても構いません。
カウンセラーは、お話を虚心に聴いて参ります。内容を整理したりしながら、進めていきます。ゆっくりとお話を受けとめるだけのこともありますし、こちらの感じたことや、直感をお話ししたり、提案することもあります。必要な場合には、少々厳しいことや、アドバイスを申し上げることもあります。
どのように展開するかは、人によって、状態によって、異なります。
カウンセリングは、二度と同じ内容はありません。
誰も展開を予測することはできません。
いつもはじめての、創造的な営みです。
それを是非楽しみにしていてください。
カウンセリングに関するよくある質問と回答
Q1.うまくしゃべれる自信がありません。
上手に理路整然と話す必要はありません。知的なだけの人や、取り繕ってばかりの人には、カウンセリングは有効に機能しないことが多いものです。丁寧に自分自身を感じてみてください。細切れでも、拙い表現でもよいですから、感じたことを言葉にしてみましょう。そうすれば、かならず意味のあるカウンセリングになります。必要なのは、自分自身に対する正直さと誠実さだけです。
Q2.沈黙すると緊張してしまいます。
無理にお話しを続ける必要はありません。間を保つためだけのお喋りは、ここでは無意味です。自分自身を丁寧に感じてみてください。沈黙は、心の状態をしっかり見つめるためには、とても重要な時間でもあります。もし緊張して焦っているならば、「今私はしゃべらなければいけないような気持ちになって焦っています」と率直におっしゃってくださってもよいのです。自分の心の状態に対して、あるがまま、正直、包み隠さず言葉にすることが、意味深い展開になるコツです。
Q3.カウンセラーはどんなことをしてくれるのですか?
カウンセラーは、お話を聴いて、ありのままの心の状態を受け止めます。込み入っている場合には整理します。どんな方でも、心の世界をのぞいてみれば、皆その人なりに頑張っているものです。どなたでもその心の有り様を尊重します。
それから、心に受け入れるスペースがある方には、こちらが感じたこと、思いついたこと、アドバイスなどをします。ときには、かなり厳しいことも申し上げます。それによって、ものの受け止め方が変化し、気持ちが楽になったり、心が大きくなったりするでしょう。ただし、カウンセラーの考えを取り入れるかどうかは、相談者に任されていますので、納得しないのに従ったり、受け入れる必要はありません。すべてはあなたの自由なのです。
セラピストの援助の方向性と立場に関するよくある質問と回答
Q4.カウンセリングの技法や学派は何ですか?
わたしは自分自身を信じる石川派です(笑)
これで回答は終わりなのですが、この回答では満足されない方のために、もう少し詳しくご説明します。
昨今、学界ではエビデンス主義が跋扈してます。心の病気の治療なら、ある程度エビデンス・ベイスドな心理療法は役立ちます。しかし、自己実現や自己超越、よいよい生き方や死に方、真理探究の問いをもつ方に対しては、エビデンス・ベイスドの心理療法は役立ちません。
そこで私は、来談者中心療法を基本として、精神分析、ユング心理学、実存分析、人間学派、トランスパーソナル心理、エネルギー療法、スピリチュアリズム、森田療法、霊的諸伝統、そして初期仏教(ブッダの教え)などの知識やテクニックから、今、目の前に座られている方にもっとも役に立ちそうなもものを臨機応変に用いています。
最近、自分の立場を、スピリット・センタードセラピーとか、ダンマ・セラピーと表現することもあります。
Q5.スピリット・センタードセラピーとは何ですか?
相談される方が、自分のなかのもっとも精妙で、清らかで、高い意識の心の声を聴けるように援助するセラピーです。私は、来談される方の表層意識や人格だけではなく、つねにその方の深い部分の心にも意識を向けています。そこに周波数を合わせ、共振しながらセラピーを進めていくのです。
このような意識は、自分がどうすべきかを知っていることも多いのです。他人の考えは参考やきっかけになることはもちろんありますが、いつも他人に頼ってどうすべきかを尋ねる必要はありません。高い意識(高我)と日常的な意識のパイプをつなぎ、太くすることが、問題の解決だけではなく、真の人間の成長につながります。このことが心理療法の基本だと私は考えますので、これをスピリット・センタード・セラピーと石川が名づけたのです。
詳しく知りたい方は以下の文献を参考にされてください。
石川勇一『心理療法とスピリチュアリティ』勁草書房、2011年
石川勇一 『スピリット・センタード・セラピー:瞑想意識による援助と悟り』せせらぎ出版、2014年
Q5.ダンマ・セラピーとは何ですか?
ダンマ・セラピーは、スピリット・センタード・セラピーの発展バージョンです。ダンマというのは、普遍的な真理という意味で、信仰されるべきものではなく、各自で検証できる宇宙の法則です。つまりダンマ・セラピーとは心理療法でありながら真理療法なのです。
重要なダンマには、諸行無常、諸法無我、一切行苦、業と業果の法則(カンマ[カルマ]の法則)などがあります。宇宙の法則に反して生きれば、必ず苦しみを味わい、則って生きれば、幸せになるのです。ダンマ。セラピーは、今おかれている具体的な状況のなかで、ダンマを見いだし、どのようにすることがよいのかを見極めていきます。その他、さまざまな正しい瞑想法の指導もダンマ・セラピーには含まれます。
ダンマ・セラピー=心理療法 + 瞑想 + ダンマ
なのです。究極のよい生き方、生きる目的、苦しみの終わらせ方を知りたい人には、ダンマ・セラピー以上のセラピーはないと自信をもっております。
詳しく知りたい方は以下の文献を参考にされてください。
石川勇一 『心を救うことはできるのか:心理学・スピリチュアリティ・原始仏教からの探求』サンガ、2019年